今年で82歳になられるアザマミノル先生の一日講座は、今回で3度目となります。フレキシブルというアメリカの工具の説明会とあって、販売会と尻込みされる方もいらっしゃったようですが 先生直々のレクチャー、大変貴重な時間でした。
先生が日本にいらっしゃったときは日本の彫金環境が余りにも遅れているので大変驚かれたそうです。日本に研磨機であるリューターという工具が入ってきてから50年しかないのに対して、アメリカでは戦前からこのような工具があり、効率よく制作をしているそうです。その為、リューターのポイントの種類も大変多くて お話を伺わないと工具屋さんに行っても宝の見腐れになるポイントが多かったです。その点、日本ほど工具が充実している国は無いのですからどんどん新しい事は取り入れたいですね。
研磨のポイントは大きく三つの種類に分かれます。
ゴム シリコン ビニール砥石です。ゴムは柔軟性があるため、変形のものを研磨するには良いようです。
石の研磨にはダイヤモンドポイントを使用の後に、ダイヤモンドペーストで磨いていくと石が段々光ってきます。このペーストの種類の多さにも驚きました。
アザマ先生からは宝石の原石を沢山頂いたことがあり、教室にはそれらが飾ってあります。研磨の前に切削が必要なのですが、ビルの30階から落として割ったらいいよ と先生が言われるのでみんな大笑いでした。
先生がお持ちになられる宝石は、すべて先生の原石のセレクトと研磨です。先生が言われるには、今出回っている90パーセントの宝石は人工の処理がしてあるそうです。石をとても大切にされる方は、石を処理するのは嫌なのですが希少価値が高くてお値段もとても高くなります。だから処理をして綺麗にして廉価とるする訳ですが、宝石に関しては詳しくない私でも無処理の美しい石は「生きている」というかみずみずしいというか、持っていてとても気分が良くなります。アザマ先生がお持ちになる宝石はもう、どこにも売ってないし あったとしても高すぎて買えないくらい 希少価値が高いものです。目の覚めるような鮮やかな天然の宝石は見ていて飽きず、神秘的です。
ひとつ判断に苦しむグリーンの石があり、先生に鑑別をお願いしたところ 大変巧妙に処理されためのうであることが分かりました。
昔は紫外線を当てると、めのうの縞が見えてすぐに分かったけれど 中国でこの誤魔化し技術が発達してその縞が分からないようにし、高価な翡翠と一般の方が間違えるようにしたそうです。
そのようなお話も交えて、フレキシブルは金属の研磨のほか、水をつけながらの宝石の研磨(大きな装置も要らず感電することもない)、洋彫り、ヤニを使用しない石留め キャスト上がりの地金の締めが出来るのを見せて頂きました。
二時間で終わるセミナーは結局皆さんお昼ご飯も食べずに4時近くまで続きました。
先生どうもありがとうございました。あと、㈱アーテックの代表取締役 中澤さんも懇切丁寧に説明下さってありがとうございます。この日は雪にも関わらず集まられた生徒さん、本当に良かったですね!また先生とお会い出来るような機会を設けられたらと思っております。
最近のコメント