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2011年8月24日 (水)

お酒の語源から

 彫金をやっている人間は大酒飲みか、反対にまったく飲めないかの両極端ですね。今日はお酒の話です。

 ご縁があって年明けに明治神宮で包丁の儀を奉納される四條氏家の方と、後日お酒を飲みながら食事をする機会を得たときに 自然お酒の話になりました。
 私は子供のころに見た番組で樋口豊次郎さんが お酒 の語源は、人々がそれを飲んで楽しく愉快な気持ちになり 栄える というところから さけ となったと言うのをお話したところ、それはまったく違いますと言われました。

 古代、食事というのは先に神に捧げてから人々が食したものだそうです。
 特にお酒は、穀物から作った大切な神の食べ物。さ(神)け(食)というのが正しいと云うことでした。
 だから今でも天皇との食事の場合は 天皇が先に箸をつける(真似)をしてからでないと 皆食事が出来ないそうです。桂師匠も天皇皇后ご夫妻とティータイムの時は、先に天皇皇后がお茶と果物(とても薄く切った梨だったそうです)を一口召し上がってから どうぞ、ということで口にされたそうです。ここだけの話(って おおっぴらですが)お茶は大変薄く、梨も一口で のど元ですっと消えた感覚だったそうで 天皇家は普段が実に質素だというのが分かったそうですよ。御所のしつらいや様子を私は聞くだけでしたが、広い部屋に御簾がいくつか垂れているとか、その他の話で 想像だけですが幸せでした。

 今日はたまたまテレビで 昭和天皇のお食事を再現して、テレビの出演者が鯛茶漬けを食べて皆優しい顔になっていたときに わーっとそれを思い出しました。タレントさんが このような食事をしていたら犯罪なんて無くなる といった意味の事を言ったのはとても分かりました。極寒で行われた包丁の儀の後のあたたかなお食事は 皆、顔が優しくほころんだのですよ。老いも若きも、お金持ちもそうでないのも皆、食べ物を前に子供でした。


 肉体を維持し、思考し活動するための私たちの食べ物は全部、生き物が命を犠牲にしたもの、天皇のお食事には 頭から尻尾まで無駄にせず様々な調理で出されたそうです。
 お酒は簡単にお金で買えるけれど 古代は米作りも大変な上にやっと出来上がったお酒だからさぞかし貴重なものだったことでしょう。
 
 薀蓄と雑談ついでに、お酒のみはお酒と字を書くときは、西の中に書く一本線を必ず左右くっつけて書いてください。今では酒屋の看板も 離れているのがあります。

 面白いと思っていただければ 書いた甲斐があります。
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