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2011年8月17日 (水)

ヤスリの作り方と 職人との思い出話

  動画は東京の深沢やすり店のものです。
 
  教室のヤスリがだんだん切れなくなってきました。目立て直しを山口貴工さんに相談しましたが 買ったほうが安いとのお話で、鍛造をされる方に生下げとして作り直してもらおうかと思っているこの頃です。でも本来は、ヤスリ目を削ってまた目立てをしたものなんだそうです。だから、ヤスリには厚みがあるんですよ。
  
  先日、初稽古となった女性に 新品のヤスリをお渡しして鏨つくりから始めて頂きました。
  一般にヤスリってどうやって作っているか知らないですよね。
  目立てといって、材料に鏨でヤスリ目を打っていくんです。

  金工関係の方ならここまで知っているのが当たり前~ですが、この角度には地方色があると私は感じます。
  高岡の手作りやすりは 角度が鈍角に思います。だから ざっくざく切れます。彫金には荒すぎる感です。高岡のヤスリは 硬い鋳物をやするために 深いんでしょうね。
 東京のものは 打ち物をやするので 浅いのだと感じました。

  高岡には故人となられた 0さんという職人さんがいらっしゃいました。
  冬で、仕事場に遊びに行くと 長いはなちょうちんを上下にして話しているので いつ鼻水が土間に落ちるのだろうかとハラハラして見ていたので 肝心の話がおろそかだったのが悔やまれます。
  口コミでヤスリが売れ始めて、遠くは北欧から大量発注が定期的にあるそうで それぐらい良く下りた(切れた)んです。しかも安価でした。生産が間に合わず、2000万円も投じて目立て機を買ったそうで そういう訳で量産体制に入っているヤスリの方がお値段が高かったのが可笑しかったです。
 もう話がうろ覚えなのが残ねんで仕方ないのですが、ヤスリを焼きいれすると 曲がるそうなんです。それを焼き戻しするときに 溶けた鉛の中に突っ込むと直るのだと覚えているのですが・・・
 
 0さんは畳の上でコツコツと鏨を入れてらっしゃいました。若いころは丁稚奉公で年に2日だけがお休みだったそうです。今の日本は週休2日で休みすぎですね。私が社会人になったころはまだ 半ドンといって土曜日も午後3時まで働きましたよ。年に2日しかない休日にはお小遣いを持って 大門町にある色町で遊ぶのが楽しみだったそうです。私もよく働きました、鋳造品を磨く仕事が主で、働くのが嬉しくて仕方なかったです。
 
 学生時代に0崎さんのヤスリを買い、東京に出てもう一度揃えました。それは彫金科でまとめて買ったような記憶があります。
 ほどなくして0さんが病に倒れられて 手術後にくしゃみをしたら腸が飛び出ちゃったよ なんて笑い話をするほど元気になったと噂で聞きましたが、さっと向こうの世界に行かれてしまいました。
 
 

  取材者は目立てを希望しているのに それが伝わらないようです(焦)
  0さんがあと10年旅立つのが遅ければ、このような動画で残ったと思います、残念で仕方ありません。

  おたふく槌を見てください。
  これは竹で作ってあります。持つところだけが太いのが 高岡流です。竹はしなるので彫り仕事に向いていますし、竹は倒れたのが二上山に幾らでも転がっています。

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