桂盛仁 彫金の世界
重要無形文化財保持者(人間国宝)である桂盛仁先生の個展はいよいよ中盤を迎えました。
たくさんのお客様、生徒さんがお越しくださいましてありがとうございます。お花もいっぱいでとっても綺麗です。
四分一という硬い金属を高く打ち出すのは桂先生だけです。四分一の香炉の蓋のつまみがそれぞれ めじかや栗鼠といった優しい動物となっており、蓋を裏から見ると空洞になっています。
花入れは主に、金鍍金を施して源氏物語をテーマにした彫りが入っています。この金鍍金は古代の金メッキの方法。メッキと言っても現代のような金が薄いものではなく、厚みがあります。古代は金鍍金した後に、へらで押しつぶして磨いてキラキラと光らせましたが 先生はそのままにして柔らかく品のある金に仕上げられています。
そこへ彫りとなると、失敗はまず出来ないです。たまに鏨が滑って表面を傷つけてしまう、それが金鍍金した後だと修正がきかないです。金鍍金は200℃位の温度で水銀を飛ばしますので、再度磨いて鍍金するとそれまで彫ったものの照りが消えてしまいます。
その花入れに対してとても小さな帯留めの方がなぜ価格が高いのかという質問がありました。
帯留めは日本の彫金技術すべてが詰まっており、製作には花入れに対して何倍もの時間が掛かっています。私は桂先生のお父様である盛行先生の帯留めにくぎ付けとなって やがて入門したのでありますが 盛仁先生の作品を見慣れると盛行先生の作品は古臭く感じるようになりました。(すみません)現代の要素や螺鈿を入れるなどの新しい事を取り入れつつ、古典から離れていない作品は先生の挑戦芸術のように傍らにいる私は思うのであります。
会場では文化庁が桂先生の技を記録映画として残したDVDが放映されています。
やわらかく蛙を打ち出しているように見えますが これが硬くて硬くて彫金家泣かせの四分一です。こちらもご覧ください。DVDの販売は三越ではしておりませんので、画面前に置いてある注文書にてお願いいたします。
作品の図録は 1部2000円(税込)で受付にて販売しております。
こちらもなくなり次第終了となりますので欲しい方はお早めにどうぞ。
今日もたくさんの方々のご来場をお待ちしております。。。といってもワタクシ田村は不在でございます。
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