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2012年11月 6日 (火)

懸守 体験で作るブレスレット&ペンダント 誕生の話

浅草寺で待ち合わせしたお客様は 〇組のせがれ と呼ばれる方で、本物の江戸っ子でした。当時まだ私はかろうじて20代、せがれは30代。イケメンで体格も良く全ての方に優しい方でした。待ち合わせした浅草で少し待ったのでおみくじを引いたら大凶でしたね。浅草のおみくじは殆どが凶か大凶なので浅草でおみくじなんて引くものじゃありません。
 たまに頼まれて鎖を編んだり、そうそう、煙草の前金具を作ったこともあります。受け渡しが浅草でした。
 そのせがれが話してくれた一つに 懸守(かけまもり)があります。これはお寺や神社のお札を入れた袋の事で、せがれは長いひもを肩に斜めにかけてそれを身に着けていました。昔はこの中に好きな人の名前を紙に書いてお互いに隠し持っていたということです。錦の布で作った腕輪もあったそうで、今のように大っぴらに付き合うことが出来ない時代、携帯もメールも無いわけですからこの懸守が二人の信頼と絆の証だったという話をされていたのを思い出します。

 特に何かが起こった訳でもなくなんとなく〇組のせがれと疎遠になり数年経ったころです。急に、本当に思いがけず稽古中にせがれのことを思い出して生徒さんに話しました。そしてそのすぐ後に、〇組のせがれが、40代の若さで癌の為に亡くなられたことを電話で知らされました。悲しいというよりは驚きの方が大きかったです。
 そののちまた私は日常の雑事で 〇組のせがれの事を忘れていきました。そしてまた、数年してふと 〇組のせがれを思い出したのです。
これを現代に再現したらどうなるだろう、という考えから 今年のクリスマス体験キャンペーンが生まれました。今まで 彼を亡くして悲しいと思ったことが無かったのですが、ブレスレットやペンダントになって形になるとほっとしたのか涙ぐんでしまいます。私は勉強不足ですが、離れても私たち、ずっと友達でいよう。これからも色々日本のいい文化を教えてください。絆は目に見えないけれど、それが懸守という形になった時に メールや携帯よりも色々な場面で存在が大きいのではないかと思います。

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