再就職おめでとうございます
2年前。ちょうど震災の前後にご注文と制作となったEさんでした。当時は子供がやっと1歳の誕生日を計画停電の中迎え、ろうそくの火で夜を過ごしたことを思い出します。当時お教室は1か月クローズし、指輪は銀座と自宅を行ったり来たりして制作しました。結婚指輪の制作はこれがなかなか進まなくてお客様にも大変お待たせすることになり本当に申し訳なかったのですが、Eさんはじっと待ってくださっていて、今も親しくおつきあいしています。当社の事は営業で回っていた時に見たウチの小さな看板を見て、ここにしよう!と飛び込まれてきました。
Eさんはお勤めされていた会社が落ち目になり、退職されていたそうです。今はこのようなご時世ですから、次を探してから退職というのが一般的ですが今はそれも難しいほど就職を見つけるのは困難ですし、不安なことだと思いました。
再就職しましたとご報告にお見えになって、お名刺を見てびっくり。どこのご家庭にも絶対1個や2個はある あるもの達を取り扱われる大企業の国際物流課でした。
なんたることでしょう。
開いた口が塞がらない私と大野に、以前会社で先輩だった方がその会社で出世をされて、それで引っ張られたのだそうです。
人のご縁は大切ですね といつものEさんらしく明るくさわやかな笑顔で 次がありますので と名刺を置いて去って行かれました。かといってEさんは打算で人付き合いをされる方じゃなくて、本当に人がお好きなんですね。
雰囲気変わったね、と大野の方を振り向くと、社風じゃないでしょうか と大野・・・
いや、香水のせいかも?
Eさん 再就職おめでとうございます。指輪がきらりと光って大人の男の色気が漂っていました。まだ20代の女性がウチに注文に見えたときに、男の結婚指輪はセクシーだと力説していたのを 他所の旦那さんなのに、なんでだろう?と私はきょとんとしておりましたが わかる気がしました。ああ、でも私は母心で次に向かわれるKさんを目で見送りました。
私はこうして私が携わった方々が幸せになられると嬉しくなります。そして私たちの事も忘れずに来てくださってありがとうございます。
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