夫婦愛
バングルをご注文下さったお客様から、届いたという報せと共にお写真が数枚、送られてきました。
どんな経緯かは分かりません。
麗らかな桜の樹の下に写っているのは車いすに乗ったご主人様と14年、暮らしているという愛犬でした。
気管支切開をされているので、呼吸器も写っていました。だから話すことも出来ません。四肢も、表情も、首も自由にならない(お客様談)ので意思表示は難しいのですが、きっと気に入ってくれています、と書かれていました。
お写真で見る限り、そして二人の手を見てもお若いんです。このお若い二人は8年、ご結婚生活を営んでおられます。
昨今、伴侶や子供に関する悲しいニュースが耳に入る中で なんて美しいお二人だろうと、メールを読みながら、返す言葉が見つかりませんでした。
でもきっとお二人は お二人で過ごす日々の一日一日がかけがえのないもので、大切にされているのだと私は思いました。
木工作家だったご主人様ということで木目金のバングルを探しておられたそうです。模様出しには時間を掛けて制作させて頂きました。
お客様は京都の方です。不思議と奈良の国宝殿に出張に行って奈良京都を移動している間にメールが届きました。ちょうど若宮神社の夫婦の金鶴を手掛けていたので不思議なご縁を感じました。
神のご加護を願わずにはいられません。
奥様が作られた木彫の愛犬だそうです。お二人は芸術家同士での出会いだったのでしょうか。
これからも度々、私はお二人の事を思い出すに違いありません。桜の時期は特に。
尚呼
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